Polymarketのオーダーブック、謎にしないで読む
Polymarketの価格は数字ひとつじゃない。買い気配、売り気配、そして積み上がった注文でできている。スプレッドを信じる前に、見るべきところを整理しよう。

予測市場で「Polymarketでは62%だって」と言うとき、たいていは直近の約定価格か中間価格を指している。どちらも実際に払う価格ではない。YESを買うなら最良の売り気配を払い、売るなら最良の買い気配に当たる。その差がスプレッドで、閑散とした市場では、追いかけている取引所間のアービトラージの利幅より広いことさえある。
3つの価格、1つの市場
- ▪最良買い気配:いま誰かがYESに払ってもいいと思う最高値。
- ▪最良売り気配:いま誰かがYESを売ってもいいと思う最安値。
- ▪中間価格:2つの平均。チャートには向くが、約定には使えない。
スキャナーが読むのは中間価格ではなく売り気配だ。NO側も読む。PolymarketでNOを買うのは、独立した別のオーダーブックではなく、YESのオーダーブックの裏側にあたる。NOの売り気配が29¢なら、誰かがYESに約71¢で買いを出しているということ。逆に聞こえるが、そこが要点だ。2つの側面はつながっている。
直近の約定価格が嘘をつく理由
薄い市場では、90¢で1件約定したあと、次の売り気配が94¢のまま残ることがある。チャートは90と言う。あなたの注文は94を払う。2本脚のペアでは、片側で数セントずれるだけで利幅が全部消える。だからスキャナーはすべての価格の横にドル建ての金額を出している。それはその見積もりで実際に買える数量であって、市場全体の出来高ではない。
板の厚みは価格のもう半分
PolymarketのYESが41¢、KalshiのNOが55¢だとしよう。ペアのコストは96¢で、手数料前なら4.2%のリターンに見える。でも41¢に20株しか出ていなければ、1,000ドルの注文は板を歩いて、もっと高い値段を払うことになる。スキャナーは利益を見積もり上の板の厚みで頭打ちにする。上限が8ドルなら、それは42ドルの取引ではなく8ドルの取引だ。
薄いペアを「最高ROI」の数字ひとつで隠さないのも同じ理由だ。流動性が5ドルしかない20%のスプレッドは、500ドルある3%のスプレッドより良いわけではない。別物の取引なんだ。
クリックする前に確認すること
- ✓売り気配はまだ残っているか?スキャンから注文までの間に気配は動く。
- ✓その売り気配には何株並んでいるか?
- ✓NO側の脚にも見合った板の厚みがあるか?
- ✓両方の市場は同じ日付・同じタイムゾーンで結果確定するか?
- ✓各取引所はこの市場でいくら手数料を取るか?
どれかひとつでも「わからない」なら、そのスプレッドはまだ使えない。スキャナーは価格差を見つけられる。でもルールを代わりに読むことはできないし、注文を代わりに約定させることもできない。
これはPolymarketに限った話ではない。どの取引所にもオーダーブックがあり、テイカー手数料の一覧があり、ルールブックがある。Polymarketはただ、チャートの価格と約定価格の差を見落としやすい場所なだけだ。
出典
The team behind the scanner. We write about cross-venue pricing, resolution rules and the mechanics of locking in spreads on prediction markets.

